分光学と宇宙地球化学:反射スペクトルが繋ぐ隕石と小惑星

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松岡 萌 先生 (Moe MATSUOKA)

国立研究開発法人宇宙航空研究機構 (JAXA) 宇宙科学研究所太陽系科学研究系 招聘研究員


運営委員からのコメント:
松岡萌先生は, 東北大学大学院理学研究科地学専攻(中村智樹研究室)で学位取得後, 2018年から国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の研究開発員をされています。分光学, 惑星物質科学をご専門とされ, これまでに, 炭素質隕石のその場加熱や宇宙風化を模擬したレーザー照射実験(詳しくは、Matsuoka et al., Icarus 2015; Matsuoka et al., ApJ 2020)による分光分析を精力的に行ってこられ, 透過型電子顕微鏡を用いた物質分析等と併せて, 太陽系物質進化の統合的理解を目指した研究に取り組まれてきました。特に, 小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトチームの一員として, 探査機に搭載された光学航法カメラONCと近赤外分光光度計NIRS3(ニルス・スリー)の開発・運用・観測に携わられ,「はやぶさ2」ミッションの完遂に大いに貢献されたことは, 私たちの記憶に新しいところです。
 運営委員の日比谷は, 学部時代に松岡さんと同じ研究室に所属し, 在学中は公私ともに大変お世話になりました。松岡さんの研究に対する情熱は当時から熱く, 日々研究を(+趣味も!)着実に推し進められ, ご本人は意識していらっしゃらないのかもしれませんが, その精励恪勤ぶりには頭が下がります。
また, 探査ミッションを通して, 海外の研究者・技術者と最先端技術についての英語による議論や交流も盛んに行っており, グローバルな視野もお持ちです。今回のご講演では, 分光学的手法の説明から松岡さんの最新の研究成果, そして惑星探査の裏話に至るまで, 様々なテーマをご用意いただいていますので, 是非とも皆さまにご参加いただきたいと思っております。

(担当: 日比谷, 鹿児島)